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コラム

M・ベンツ、G・アルマーニデザインの「CLK」をパリ モータ…

◆M・ベンツ、G・アルマーニデザインの「CLK」をパリ モーターショーに出展
昨年秋のミラノコレクションで発表したもので、100台を限定販売する

<2004年09月07日号掲載記事>
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Daimler Chrysler 社の Mercedes-Benz 部門は、2004年パリ・モーターショーに、特別モデル「CLK designo by Giorgio Armani」を出展すると発表した。この特別モデルは、「CLK 500」をベースにイタリアのファッションデザイナー Giorgio Armani 氏が内外装をデザインし、2003年秋のミラノコレクションで発表したもの。100台を限定生産・販売する。

このように自動車メーカーが服飾業界のブランドとコラボレーションするケースは今回に限らず、これまでも様々な自動車メーカーが施策として展開してきている。

例をあげるとスバル・フォレスターと LL ビーン(アウトドアブランド)、フォード・エクスプローラーとエディ・バウアー(アウトドアブランド)、プジョー・ 206 とクイックシルバー(サーフ用品ブランド)、GM ・キャデラック XLR とブルガリ(宝飾品ブランド)、スズキ・エスクードとヘリーハンセン(マリン & アウトドアブランド)等々。

上記のようなコラボレーションは、勿論モデル発売後の販売促進といった目的もあると思われるが、組み合わせを見てみると、自動車メーカー、もしくは発売したモデルと類似したブランドイメージを有する企業がコラボレーションの相手として選択されており、相乗効果によりお互いのブランド価値を高めあう結果となっている。

今回のコラボレーションを見てもメルセデス・ベンツとアルマーニ、高級感溢れる組み合わせである。

ブランドとは企業のいわば人格にあたるものであり、その企業の歴史、業績、宣伝・広告の仕方、販売店における商品の陳列方法や接客態度など、顧客が見て感じることのできるすべてのものから伝わると言うことができる。

自動車業界におけるブランドの重要性は近年特に叫ばれているが、ブランドの重要性が早くから認識されてきた服飾業界からも参考にすべき部分は多いだろう。

まずブランドの確立は発売時の高い収益性を可能にする。スペック、機能は全く同じでありながら自社と他社とでモデルの実売価格に差があるのであれば、それはブランドの差に他ならない。服飾業界におけるルイ・ヴィトンなどは典型的であり、商品の機能的には他社と大差ないが、その確立されたブランドにより顧客に多少値段が高くても欲しいと思わせることに成功している。

また、確立されたブランドは発売後の価値低下、値崩れを防止する。その結果としてブランド力は中古車市場の取引価格にも反映されることとなる。服飾業界では、現在ブランド古着店というビジネスが存在しているが、これも高いブランド力あってのものである。顧客は通常の洋服を新品で買うよりも高い値段でブランド品の古着を購入していく。

以上のようにブランドを確立することで企業にとって様々なメリットが生じるわけだが、それだけに一朝一夕にはいかず、意識的にマネジメントを行なっていく必要がある。

ターゲット層を明確にした上で、自社、もしくは発売するモデルが提供する価値・イメージ・感じてもらいたいことを、一貫性のある形で伝達していくことが求められる。

ここでいう一貫性とは商品のイメージ、販売店での売り方、広告宣伝といった全ての顧客接点の間での一貫性を確保するという意味もあるし、また企業ブランドと車種ごとのブランドの間での一貫性も含まれる。

そして、何より大切なのは企業が伝えたいことが顧客に正確に伝達され相互の共通認識が生まれなければ、ブランドが確立したとはいえないということである。

その意味であれば、今回のケースのように伝えたいイメージと類似したイメージを持つ他業種のブランドとコラボレートすることで、伝えたいことを明確にし、顧客に自社のブランドイメージを正しく認識させるということも、有効な手法の一つではないかと思われる。

<秋山 喬>

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