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三木 辰也 執筆記事
 
 
 
今や自動車業界にとって避けて通れないテーマの一つである中国進出。

住商アビーム自動車総研のアドバイザーであり、過去 15年の中国駐在・ビジネ
ス経験を経て現在も浙江省杭州にある日産ディーゼルの製造会社に出向中の三
木辰也が、中国進出に携わる方々に対して中国ビジネスのヒントを伝授するコー
ナーです。

第13回 『帳簿がいっぱいあるっていうけどどれがどこまで信用できる?』

中国にある日系の企業で帳簿を複数作っている会社は、日本でもありうること
ですので、ないとは言いませんが、社内コンプライアンスが重要視されている
昨今では、ないに等しいと考えます。

さて、国営企業や日系以外の合弁企業、独資企業はどうなのでしょうか?

中国は2000年頃から欧米の会計制度を積極的に取り入れ、日本よりも先行して
いる部分もかなりありますが、一方では、一つ一つの会計規定、規則に解釈の
幅が入り込む余地があり、それぞれの企業が自社に都合良く引用する、中国の
会計事務所もそれぞれに多少適用に相違が存在することから、帳簿が複数ない
までも、日本の企業から見ると多少違和感や信頼性に疑念を持つに至るケース
はあると考えます。

時に華僑系企業には帳簿が複数ある企業もあるのではと聞きますが、中国の税
制が会計規則同様、多少曖昧な部分が存在する為に、自社に有利にと、そのよ
うなケースがあるかも知れません。

中国では税務査察が入ることが多いのは規模が大きく、輸出入の両方を行い、
業界レベルから見ると利益があまり出ていない企業に多いようですが、その時
に帳簿が複数あることが分かると嫌疑が掛かり、徹底的に調べられることにな
りますので、当然のことですが、帳簿は一つにすべきと考えます。

中国では『上に政策があれば、下に対策あり。』と言う格言をよく耳にします
が、幾ら規制や規則で網をかぶせようとしても、すぐその網の目を潜ろうと種々
知恵を絞り、抜け道を探すとの意味で、この格言の意味を考えた場合、中国に
ある企業の中には複数の帳簿が存在する企業はないとは言い切れません。

                        
<三木 辰也>

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