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本條 聡 執筆記事
 
 
 
◆日本精機、有機ELディスプレーの表示計、米GMの新型「コルベット」に採用
 今夏に発売へ。米クライスラーが今秋発売する「グランドチェロキー」にも

                   <2004年5月27日号掲載記事>

 有機ELは、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)と
同様、フラットパネルディスプレイ(FPD)の一種である。
 各FPDの主な特徴は以下の通り。

        LCD(TFT)  PDP  有機EL
 消費電力    ◎     △    ◎
 厚さ         ○     ○    ◎
 応答速度    △     ◎    ◎
 輝度        ○     ○    ◎
 耐久性      ○     ○    ◎

           (インターネット等より)

 LCDは、既に携帯電話からパソコンまで幅広く生活に密着しており、今更
説明の必要もないが、課題として、自発光型でないため光源が必要になる
こと、視野角に限界があることなどが挙げられる。

 PDPも、昨今プラズマテレビとして普及しているが、消費電力が大きい
ため、携帯性が重視されるような小型表示装置には不向きである。

 一方、有機ELは、自発光型素子を利用したシンプルな構造のため、LCD等と
比較すると、

 ・視野角が広く、視認性に優れる。
 ・応答速度が速いため、動画表示にも適する。
 ・消費電力が小さい。
 ・薄型化・軽量化が可能になる。

という特徴があり、次世代表示装置としての期待も高い。

 現在、有機ELには低分子型と高分子型の2種類が存在する。機構的には
基本的に大きな違いはなく、製法・製品としての違いと言える。
 低分子型の方が技術開発、市場導入が進んでいるが、製法上の問題から、
大型化は難しく、携帯電話等小型表示装置を中心に市場に投入されている。
高分子型が実用化に至れば、大型パネルでの有機EL採用も一気に進むと言われ
ている。

 自動車分野でも、1997年にパイオニアが有機EL表示装置を搭載した機器を
市場に導入した時には大きな注目を浴びた。その後も少しずつ採用が進んで
いるが、現在依然として、LCDが車載用表示装置の大きなシェアを占めて
いる。

 現在主流の低分子型有機ELの基本特許の多くの部分を米イーストマン
コダックが保有しており、同社と提携しているメーカー(三洋電機、日本精機
等)の開発・製品化が進んでいる。
 今後、順次特許の期限を迎えるにこともあり、有機EL業界に参入する
メーカーも増え、開発・製品化も加速すると言われている。

 また、今回の日本精機の発表や、先週の「人とくるまのテクノロジー展」に
おいて豊田自動織機が出品した有機ELを利用したサンバイザーミラーなど、
既存のLCD表示装置からの置き換えというだけでない、有機ELの活用も検討
されはじめている。
 数年後には数千億円〜1兆円市場とも言われる有機ELの動向には、今後も
注目したい。

                        <本條 聡>

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