『ディーラー事業に新たなチャンス到来』
◆ナンバープレート封印業務、委託範囲見直し
<2006年10月17日号日刊自動車新聞掲載記事>
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【ナンバープレート封印業務とは】
ナンバープレートを新たに取り付ける、若しくは付け替えるクルマの場合、
原則は陸運支局に車両を持ち込んでその場でプレートをビール瓶の王冠のよう
なもので打ち付けて「封印」を行っている。
これは、自動車の場合は一般の物品と異なり陸運支局を通じて国(国土交通
省)に対して「登録」を行うことで、登録者(※)に所有権があることを第三
者に主張できる民事上の効力を生じさせることが可能であることによる。
※一部信販会社などの所有権留保等の場合は例外有り
具体的には車検証の発行とナンバープレートを自動車に正しく表示すること
によってこの第三者への主張を行うわけだが、もし誰でもナンバープレートを
取り外すことが出来ると、「所有権の公証」が困難になるため、封印を取り付
けることによりナンバープレートの 自由な取り外しができないようにしている。
これを、封印と呼ぶ。
【道路運送車両法の一部改正】
日刊自動車新聞によると、国土交通省は 11月からナンバープレートの封印業
務に関する委託範囲などを見直すとのことだ。
具体的には、
1.離島などでの一時抹消車両を中古車として新規登録する場合の封印を、市
町村長にて行えることにする
2.再封印(※)を委託事業者(具体的には、自動車ディーラーや中古車専業
店、指定整備工場など)にて行うことを可能とする。
※再封印とは、ナンバープレートや封印の滅失や破損などの封印取り外し、
再度の封印取り付けのことをいう。
【改正がもたらすもの】
一つ目の改正では、離島などでの一時抹消車両の新規登録はこれまで島外へ
と一旦車両そのものを輸送し、陸運支局で登録をしたうえで、再度島内へと持
ち帰るといった煩雑な手続きが必要であったことから、これを島内で完結させ
ることでユーザーの利便性を高めるという効果をもたらす。
これは特に離島で中古車に乗るユーザーにとって重要な改正であると思うが、
筆者は 2 つ目の改正である再封印を委託事業者にも開放することと、その先の
方向性に注目したい。
特に、この委託事業者への業務開放が、官業の民への移管の方向であるとい
う点と、重要事業者である自動車ディーラーなどから見た場合に経費削減効果
を齎すと思われる点が重要と考える。
具体的には、これまではユーザーが車両の後部ナンバープレート周辺をぶつ
けたケース等で修理・板金などを実施するに際して、ナンバーを外す必要が生
じたり、ナンバーそのものが破損している場合などは、修理が完了した車両を
全て陸運支局に持ち込んだ上で、封印を実施する必要があった。
しかし、今回の改正により車両の持ち込みは不要となることから、車両の移
動に伴う人件費や燃料費などの経費削減が可能になる。
また、ユーザーへの修理納期を短縮することも可能になることから、事故に
より自分の移動手段を失ってしまったユーザーの満足度を向上させる効果も期
待出来るだろう。
【封印を含む登録代行に伴う手数料はディーラーにとって大切な収益源】
所謂販売諸費用収入と言われる、自動車の登録を代行することにより得られ
る手数料収入は、自動車ディーラーの経営を大きく支えている。
具体的には、平成 18年 3月期の自動車ディーラー経営状況調査報告書(社団
法人 日本自動車販売協会連合会まとめ)によると、平成 17年度の自販連加盟
ディーラー 1,311 社の 1 社平均販売諸費用収入は 約 1.6 億円であり、これ
は割賦手数料の約 7,800 万円や保険手数料の約 1 億円を上回る、所謂収入手
数料の中では最大の手数料収入である。
また、ディーラー 1 社の経常利益額は 1.2 億円となっていることからも、
ユーザー向け登録代行に伴う手数料の重要性がわかる。
今後、電子政府の更なる浸透により、インターネット上での移転登録手続き
などが簡素化されていったとしても、「自動車登録」という制度が続く限り、
どこかの誰かが国に成り代わって登録の代行全般(含む封印)のサービスを提
供していく必要はある。
その中で重要な役割を占めるのは自動車ディーラーや整備工場などをはじめ
とするユーザーとの接点であるのは間違いない。
登録に伴う各種手続きなどの「官から民へ」の移行の中で、ディーラーが如
何に自ら積極的に行動しながら、変化をチャンスとして捉え、ユーザーに対す
る「面倒な手続き」の代行を素早く正確に、分かり易く提供できるかは、今後
のディーラーの経営を考えるうえで重要なファクターであると言っても過言で
はないだろう。
<長谷川 博史>
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