自動車の販売・マーケティング活動におけるホームページの重要性は今後、更
に高まっていくことが予想されます。
SE のキャリアを経て、現在は自動車好きの中小企業診断士、Web コンサルタン
トとして活躍する遠藤康浩が、その商品の持つ特徴や魅力が適切に消費者にコ
ミュニケーションされているか、という視点から車種別のホームページを診断
していくコーナーです。
【筆者紹介】
中小企業診断士。住商アビーム自動車総合研究所アドバイザー。(株)NTT-ATテ
クノコミュニケーションズでSEとして勤務後、経営コンサルタントとして独立
開業。現在、中小企業向けホームページのコンサルティングを中心に活動。
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第6回 『輸入車のホームページを見てみる(1)』
【輸入車のホームページと国産車種のホームページの違い】
今までこのコラムでは国産車種のホームページのみを扱ってきたが、これから
2回にわたって、少し趣向を変えて、輸入車のホームページを見ていきたいと
思う。
今回は、輸入車のホームページにある程度共通していえる特長についてみてい
く。次回はそれぞれのサイトの寸評をする予定である。
国産車種の場合は、全社のホームページの他に、スペシャルサイトを別に設け
るのが定石であるが、輸入車のホームページの場合は、スペシャルサイトを設
ける例はそれほど多くない。
これは、検索する人が、具体的な車種名ではなく、ブランドで検索するケース
が多いためと思われる。
例えば、国産車種の場合「エクストレイル」や「デミオ」などの特定の車種名
で検索する人が圧倒的に多い。「日産 エクストレイル」や「マツダ デミ
オ」で検索する人の方が少ないのである。
まして、ヴォクシーの情報を得るために「トヨタ」と検索する人はほとんどい
ないはずである。
これに対し、輸入車の場合は「メルセデスベンツ」や「BMW」などのブランド
名(メーカー名)で検索する人が多い。
逆に「メルセデスベンツ Cクラス」「BMW 3シリーズ」と検索したところ、
トップに表示されたのは、メーカーのトップページであり、その車種のページ
は上位に表示されなかった。(2007/09/21 Yahoo!Japanで検索した結果)
つまり、輸入車のホームページの場合は、メーカー名で呼び込んで、そこから
個別車種の情報を提供していくという流れになっている。これに対し、国産車
種のホームページの場合は、個別車種の名前でダイレクトに呼び込んでいる。
ブランドを個別車種重視にするか、メーカー名を重視するかという、国産車と
輸入車でのブランド戦略の違いが、ホームページでも如実に表れた格好になっ
ている。
【ターゲットは「はじめから興味のある人」?】
例えばBMMのホームページを見てみる
(http://www.bmw.co.jp/jp/ja/index_highend.html)
「車種情報」をクリックすると、「あなたの理想にかなうBMWをみつけてくだ
さい」というメッセージとともに、BMWの総ラインナップがシリーズごとに表
示される。
BMWに詳しい人なら「3シリーズといえば、この位の価格帯で、車格はこれく
らい」という見当がつくだろうが、予備知識がないとどのクルマを見ていいの
か、途方に暮れてしまうだろう。
たまたまBMWを例に出してしまったが、他のメーカーのホームページも、だい
たい似たり寄ったりで、はじめからある程度の予備知識がある人を前提に作ら
れていると思われる。
輸入車の購買層が、クルマそのものが好きな人や、クルマにステータスを求め
る人が中心だと考えれば、その作りも納得できる。
が、クルマは好きなのだが、BMWについてはそれほど知識のない筆者からして
みると、敷居が高く疎外感のようなものを感じてしまう。
言葉は悪いが殿様商売だなという印象がぬぐえない。
同じ輸入車でも、ヒュンダイ(http://www.hyundai-motor.co.jp/)は、これか
ら日本市場で売っていこうとする熱心さが伝わってくる。
閲覧者はヒュンダイ車についての知識があまりないことを前提に、トップペー
ジで、それぞれの車種の拡大写真と排気量が表示されるようになっており、こ
れだけで各車種のおおよその特長は伝わってくる。
少なくともどの車種の情報を見ればよいのかを、しっかりナビゲートしている
と言える。
BMWとヒュンダイのブランド力の差と言ってしまえばそれまでだが、日本市場
にもレクサスという国産の高級ブランドが登場するなど、ますます競争が激し
くなっていく中で、いつまでも殿様商売が通用するとは限らない。
ブランドイメージの向上も大切だが、ホームページの大きな役割は、自社の製
品を知ってもらうことである。
お店なら、ターゲットにならない人が来店すると、損失になるかもしれない
が、ホームページであれば閲覧者が増えてもコストは変わらないはずである。
入り口で閲覧者を制限してしまうやり方は、うまいやり方とは言えない。
【きちんと日本語化を・・】
輸入車の場合はディーラーの数が国産車よりも少なくなるため、購入、そして
アフターサービスのことを考えても、ディーラーの立地は消費者からすると知
りたい重要な情報の一つであるはずである。
しかし、トップページに日本語ですぐに分かるようにディーラー一覧・検索を
用意しているメーカーは、ざっと見た限り1/3程度である。
ディーラー検索を例にとったが、それ以外にもメニューがきちんと日本語化さ
れていないケースがあり、直感的にどんなコンテンツがあるのかが分からない
ケースがかなりあった。
何度も言うが、ホームページの大きな役割は、自社の製品を知ってもらうこと
である。
日本人に知ってもらうという目的があるならば、日本人が誰でも理解できる言
葉で伝えなければならないのは当たり前である。
そのホームページをデザインした人の中に「輸入車を欲しがる人=英語くらい
分かる人」のような意識が、根底にあるような気がして仕方がない。
輸入車を欲しがる日本人に英語のメニューを出すということは、情報が伝わり
にくくなるということであり、ホームページの目的を達成する上での障害以外
の何ものでもない。
コンテンツの中身はしっかりと日本語化しているのであるから、メニュー等に
対してもしっかり対応して欲しいものである。
まあ、中には、国産車種のホームページでも、むりやりメニューを英語化して
いるケースもあるのだが・・・
(次回に続く)
<遠藤康浩>
中小企業診断士。住商アビーム自動車総合研究所アドバイザー。(株)NTT-ATテ
クノコミュニケーションズでSEとして勤務後、経営コンサルタントとして独立
開業。現在、中小企業向けホームページのコンサルティングを中心に活動。
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