自動車の販売・マーケティング活動におけるホームページの重要性は今後、更
に高まっていくことが予想されます。
SE のキャリアを経て、現在は自動車好きの中小企業診断士、Web コンサルタン
トとして活躍する遠藤康浩が、その商品の持つ特徴や魅力が適切に消費者にコ
ミュニケーションされているか、という視点から車種別のホームページを診断
していくコーナーです。
【筆者紹介】
中小企業診断士。住商アビーム自動車総合研究所アドバイザー。(株)NTT-ATテ
クノコミュニケーションズでSEとして勤務後、経営コンサルタントとして独立
開業。現在、中小企業向けホームページのコンサルティングを中心に活動。
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第2回 『マツダ デミオ』
【今回の診断ホームページ:マツダ デミオ】
http://www.demio.mazda.co.jp/
概要: マツダ最大の販売台数を誇る主力モデル。居住性を重視した先代の
スタイルから大きく転換し、スタイリッシュなイメージを強調し、
大型化傾向にあるライバル車との差別化を図ると同時に、軽量化を
追求し、低燃費も実現している。
ターゲット層: 独身の若い女性。
診断のポイント:待望の新型車にかけるマツダの期待は大きく、新型デミオ
は思い切ったイメージチェンジを図っている。新型デミオ
は、市場、特に同社がターゲットと掲げる独身女性に受け
入れられるのかが勝負になる。白のシート、ハンドバッグ
を置けるセンターコンソールなど、女性好みの装備を備
え、"NEW TARGET"にアピールしている。
【トップページの使い方がうまい】
今回のお題はマツダ・デミオである。今回のフルモデルチェンジで、大幅
にデザインを変更しており、マツダが狙う"NEW TARGET"に対して、どれだけ
訴求できるホームページになっているかがポイントになる。
まず、ホームページを開いてみると、私の環境(1024×768 IE7.0)必要な
情報が一画面にすべて表示されている。特に「カタログ請求」や「販売店検
索」のような次のアクションを促すメニューが画面下方にぴったり収まる形
で、しかも違和感なく(デザインされた状態でと言った方が適切か)表示され
ている。
このトップページの使い方はとてもうまいと思う。
Webサイトにおいてトップページの役割はきわめて重要である。いかに閲
覧者が必要としている情報を簡素にかつ的確に見せるか、言い換えれば「こ
のホームページにはあなたの役にたつ情報がありますよ」ということを伝え
るかが勝負になる。
クルマのホームページを見る閲覧者は、テレビCMや雑誌の広告などでその
クルマの存在を知り、アクセスする人が多いと思われる。彼らのニーズはテ
レビや雑誌ではわからない「何か」(これは人によって様々だろう)をチェッ
クして、次の行動をおこす準備をするためである。
デミオのホームページは、知りたい「何か」と今後の行動を起こす入り口
が違和感なく配置されている点で、とても良い構造になっていると思われる。
敢えて改善点を挙げるとすると、トップページの左側にクルマの大きな写真
が配置されているが、一言でこのクルマを表すコピー、例えば他のページ
でも使われている「コンパクトカーのすべてをもう一度作り直しました」の
ようなコピーが入った方がより、閲覧者に「役立つ情報があるんですよ」と
いうことをアピールできるのではなかろうか。
【閲覧者のことを考えているサイト構成】
新型デミオのホームページをじっくり見てみると、閲覧者に「気を遣って
いる」点が随所に見られる。
まずは色遣いである。
サイト全体がグリーン基調で統一されている。メインに使用しているクル
マの写真ももちろんグリーンであり、枠線や現在選択されているメニューの
色などもグリーンになっている。
細かい話のようであるが、色を統一することによって、閲覧者は不安を感
じずにホームページを見ることができる。ネットサーフィンをしていると、
たまに自分がどのページをみているか直感的にわからなくなってしまうこと
があるが、このサイトに関してはそのような心配は無用であろう。
そしてRSSでホームページの変更情報をアップしている点が挙げられる。
RSSはホームページが更新されたことを、登録してある人が知ることがで
きる仕組みである。これにより、再閲覧の頻度を向上させることができる。
他の車種でもやっているところはあるが、RSSの登録が容易であるという
点で、親切な設計と言えるだろう。
最後は「ショートカット」である。
「イントロダクション」→「デミオの魅力」を選択すると、8つのデミオ
の魅力についての、「ショートカット」が現れる。それぞれのリンク先は
「インテリア」や「走行性能」のメニューに配置されているコンテンツで
ある。
閲覧者は「走行性能」や「快適性能」を知りたいのではなくて、「低燃費で
あること」や「小物入れが充実していること」を知りたいのである。それぞ
れをカテゴリーに分類するのは、ホームページ制作者側の都合でしかありま
せん。
このショーカットを置くことによって、制作者側の都合ではなく、閲覧者
側の都合でコンテンツを見せることが可能になっている。ショートカットを
用意することによって、必要な情報まで到達する時間も短くなっているはず
である。
残念なのは、ショートカットを押すと1枚目は「デミオの魅力」にすぐに
戻れるようになっているのだが、2枚目以降は戻れないようになっている。
せっかくショートカットを用意したのだから、どのコンテンツからも戻れる
ようにした方が、よりユーザビリティが増すと思われる。
【ホームページの出来=ヒットではないが・・・】
今回の新型デミオのホームページは、細かい点はいくつかあるにせよ、
全体的によく出来ていると言うのが私の印象である。
しかし、現時点でホームページの出来=ヒットとならないのもまた現実であ
る。大ヒットの車種のホームページが、全然ダメであるというケースもある
くらいである。
やはりホームページの重要性というのは各社、あるいはプロダクト毎に
よって温度差があるのが実態であろう。
ホームページは広告媒体の一手法に過ぎず、他のマーケティングの要素に
よって、販売台数も大きく変わっていく。それは重々承知しているが、今回
のような閲覧者の立場に立ったホームページの存在の有無が販売に無視でき
ない影響を与える日が、近い将来に必ず訪れるのではないかと思う。
なぜなら、平成生まれの、子供の頃からネットに慣れ親しんでいる世代が、
普通自動車免許を取れる年齢に達しているのですから・・・
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