アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国
自動車市場。
住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサル
ティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業
界のホットな話題をお伝えするコーナーです。
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第59回『輸出基地の選定・承認を巡って』
最近、商務省の有力筋が「国家自動車・部品輸出基地および輸出基地企業」
(以下、「輸出基地」と略す)を 12月に公表すると語った。これにより、関連
する地方政府、自動車企業の動きが慌しくなってきた。
「輸出基地」とは、2004年春に商務省が自動車・自動車部品の生産地を 10
ヶ所選定し、政策面で優遇策を与えようとしたものである。国務院の承認を得
たため、「汽車貿易政策」にも盛り込まれている。
この「輸出基地」であるが、一旦選定・承認を受ければ、政策・金融面(補
助金だけではなく、銀行からの融資も受けやすい)での優遇策が与えられるた
め、この構想が公表された後、各地方政府の間で激しい争奪合戦が起こった。
商務省に調整能力が欠けていたこともあり、当初の「10 の自動車・自動車部
品の生産地」という構想から「幾つかの輸出基地と 100 程度の企業」と大幅に
修正せざるを得なくなった。
この「幾つかの輸出基地と 100 程度の企業」に選定・承認が決定する 12月
を前に、現在各地方政府はこの争奪戦にラストスパートをかけている。重慶、
アモイ、江西省は承認に向けて以下のような取組みを行っている。
1.重慶
2004年 6月に輸出基地承認に向けて専門部署を設置し、翌月申請書類を商務
省に提出した。
2.アモイ
2005年 9月に、中国有数のバスメーカー・金龍汽車を中心に 1.7 km2、総投
資額 22 億元の「自動車工業団地」の設立計画を提出し、必勝の体制で臨ん
でいる。
3.江西省
「輸出企業」を申請しようとする年間輸出額 3 百万ドル以上の企業に対し、
調査費として 10 万元、選定・承認を受けた後に更に 30 万元の補助金を与
える制度を整えた。
この他、遼寧省、吉林省、安徽省なども積極的に輸出基地承認を目指してい
るという。中国の国内自動車市場はやや低迷の様子を呈しているものの、地方
政府の輸出基地争奪への情熱はまだまだ冷めないようである。
<張 浩群>
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