アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国
自動車市場。
住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサル
ティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業
界のホットな話題をお伝えするコーナーです。
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第42回『「自動車部品輸入管理方法」が導入』
2005年 2月、海関 (税関) 総署、国家発展改革委員会、財務部 (省)、商務部
(省)が共同で「完成車の特性を構成する自動車部品の輸入管理方法」(以下、
輸入管理方法と略す)を公表し、4月 1日から施行に移った。
この輸入管理方法では、CKD 車に対して、以下のいずれかの条件を満たした
場合、自動車部品の関税率ではなく、完成車の関税率を適用されると規定して
いる。
・ 2 大モジュールであるボディとエンジンの両方を輸入するもの。
・ ボディとエンジンのいずれか一方と、その他のモジュールを輸入するもの。
・ 輸入部品の総額が、完成車価格の 60 %以上に相当するもの。
今回の輸入管理方法の大きな狙いは、2 つあると見られている。
(1)自動車メーカーによる自主開発の促進
これまで、多くの自動車メーカーが、国産車と称ながらもほとんどの部品
を外国から輸入し、CKD 方式で生産してきた。自動車部品の関税率は完成車
よりも低いため、自動車メーカーにとっては大きな収益源となっていた。
また、多くの地方自治体も、CKD 方式による自動車製造が地域振興に大き
く寄与すると考え、先を争って誘致・参入を進めてきた。
この結果、自動車メーカーが全国に濫立し、その傾向は一向に改善が進ま
ず、また、多くの自動車メーカーが自主開発を放棄して、CKD 方式での生産
に傾倒してしまうという弊害が顕著になっている。
政府は、CKD 方式での生産のメリットを奪うことで、自動車メーカーの自
主開発を促すことを狙っている。
(2)海外自動車メーカーの R&D 機能の現地移転促進
海外自動車メーカーにとっても、現地生産拠点での開発・設計が重要とな
る。競争が激化する中国自動車市場を勝ち残るために、海外設計モデルを CKD
方式で生産するというビジネスモデルが成り立たなくなる。一方で、市場で
は、中国のユーザーにあわせた嗜好が求められており、現地に R&D 機能を持
ち、独自仕様の開発・生産をすることが重要となる。したがって、海外自動
車メーカーの R&D 拠点の現地移転も進むであろう。
今回の輸入管理方法の影響を最も受けるのが、高級車の少量生産を前提にし
ていた一部の海外自動車メーカーであろう。中には、致命的な影響を受けると
ころもあるだろう。その代表格とも言える独 BMW、独 DCX (ベンツ)両社は、
輸入管理方法の施行を 1年延期するように陳情していると言われている。
この輸入管理方法は、中国市場の自動車市場の構造に大きな変化をもたらす
ものとなりそうだ。
<張 浩群>
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