アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国
自動車市場。
住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサル
ティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業
界のホットな話題をお伝えするコーナーです。
第15回『北京タクシー車種選定をめぐる綱引き』
2008年に北京オリンピックを控えている北京市は、今後のタクシー車種更新
計画を公表した。対象となる更新予定台数は 58,600台に及ぶ。北京市当局は、
まず、更新車種の「基準」を以下のように定めた。
<タイプ1>
- 車長:4.3m 以上
- 排気量:1.6L 以上
<タイプ2>
- 車長:4.51m 以上
- 排気量:1.8L 以上
目前に出現した大きな市場をめぐって、各自動車メーカーが激しい利権獲得
競争を繰り広げた。政府関係への過大な「工作」活動や競合他社の攻撃だけに
留まらず、北京のタクシー会社の経営陣を韓国(現代自動車による)、フラン
ス(神竜汽車による)、ドイツ(上海 VW による)、黄山(奇瑞汽車による)
に視察(観光?)に連れて行くなどもあったという。
そして、最近、この「タクシー車種更新配分案」が徐々に明らかになってき
た。
- 北京現代「ソナタ」: 46%
- 上海VW「サンタナ3000」: 40%
- 第一汽車「紅旗」: 4%
- 奇瑞汽車「東方之子」: 4%
- 中華汽車: 2%
この結果に対し、各自動車メーカーは以下のような反応を示しているという。
1)北京現代
最大の受益者となった北京現代は、「北京政府に感謝している」と表明。
2)第一汽車
中央政府当局への「強い干渉」にもかかわらず、やっと 4% の配分を確保す
るに留まった第一汽車は、「北京当局は不公平だ」と不快感を表明。
3)神龍汽車
1.3L の「富康」(シトロエン ZX)を生産する神龍汽車は、最初から選定基
準から外れたため、北京のタクシー市場から撤退せざるを得ない局面に直面
している。
神龍汽車は
(1)「選定基準」は、最初から意図的にソナタなどの車種に有利に設定され
ている。
(2) 1.6L 以上の車種に限定することは、省エネルギー、環境保護の流れに
逆行している。
と激しく北京当局を非難している。
いずれにしても、地元でも評判が良くなかった「夏利」のタクシーは、北京
の街から消えることになりそうだ。
<張 浩群> |