飛ぶ鳥を落とす勢いで成長している中国自動車市場。
住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサル
ティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業
界のホットな話題をお伝えするコーナーです。
第5回『中国中古車市場の新しい動き』
最近、新車市場が一時の熱気を失いつつある一方で、中古車を巡る動きが俄
に注目を集めている。政策面では、6月 1日公表された「中国自動車産業政策」
の具体策として、「自動車貿易政策」策定作業が商務省の主導で進められてお
り、2004年中の発表を目指しているという。
「自動車貿易政策」の中では、「自動車ブランド流通政策」(例えば、T 社の
輸入車と現地生産車が同じチャネルで販売できるかどうか)と「中古車流通方
法」が焦点として注目されている。
これまでの中古車取引は、政府が指定する「中古車交易市場」(日本流で言
えば、公設市場)のなかで行わなければならなかった。つまり、真の意味での
中古車業者が存在せず、中古車の取引は「仲介者」の仲介によって成り立って
いたわけである。
今回の「中古車流通方法」策定には、音頭を取る商務省のほか、公安、工商、
交通、税務などが関与しているため、各役所からの議論百出の状態となってお
り、なかなか一枚岩とはなっていない。但し、最近ようやく一つのコンセンサ
スが纏まりそうな雰囲気が出てきた。それは自動車メーカー・ディーラーにの
み、中古車取引の許可権を与えようというものである。
中国では、政策策定が現状に追いついておらず、常に後追い状態である。か
といって、あまり政策より先走りしては叩かれてしまう。いかに政策より「半
歩」(一歩ではなく!)先を狙うかがビジネス成功の一大要因らしい。
もう「半歩」のタイミングに差し掛かっていると判断したのだろうか、多く
の自動車メーカーは一斉に走り出した。上海 GM を始め、上海 VW など米系企
業は早速「中古車参入」(まず、買い換えの下取りから)を宣言した。日系
メーカー各社も国内から人員を派遣し、急ピッチで準備を進めている。
今回の動きにより、旧来の「中古車交易市場」独占体制が打破され、中古車
ビジネス自体の厚みが増すに違いない。しかし、中古車業者が自由に参入でき
る日はまだ相当先の話になりそうである。
<張 浩群> |