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佐藤 彩子 執筆記事
 
 
 
仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウ
ーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行
きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント
業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお
話していくコーナーです。

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第46回 『人脈を広げる近道とは?』


 半年ぐらい前に、女性限定のあるコミュニティに入ったんです。それは、あ
る有名な女性起業家が、いろんな方面で活躍する女性を集め、情報交換をして
交流を深めるという趣旨で立ち上げたものでした。現在、メンバーは 30 人ほ
どです。

 月に一度、メンバー全員で交流会(お食事会)を行います。平日の夜の開催
もあれば、週末に開催の時もあります。平日の夜の時は、「どこのキャリアウ
ーマンかしら?」と思うほど、スーツ姿がビシっと決まった女性が目立ちます。
また、週末に開催の時は、皆、ドレスアップしていて眩しいほどに美しく、こ
こに男性が一人もいないのはもったいないなぁと思うほど華やかな場になりま
す。

 普通の OL に飽き、お料理好きが高じてイタリアンレストランを経営して大
成功しているという女性、会社に勤めている間に税理士の資格を取り、その後、
自分で事務所を開いて今では顧問先をたくさん抱えているという女性、会社を
辞めてアメリカに留学し、帰国して結婚した後に、教師としてではなく経営者
として、子ども向けの英会話教室を起業したという女性・・・などなど、実に
多彩な顔ぶれなんです。なんだか、こんな男勝りの女社長たちに囲まれると、
自分はとても「普通の人」なんだということを再認識させられてしまうほどで
す。

 彼女たちは、仕事に対する志が高く、仕事人としての魅力があるのはもちろ
んなのですが、人間として、同じ女性としてもとても魅力的な女性たちなんで
す。仕事の話から美容の話、ファッションの話、話題になっているレストラン
の話、ワインの話、海外旅行(出張)の話、華道やクラシック音楽の話まで話
題は尽きません。驚くことに、皆、どんな話題にもついてこれるほど、広く浅
く(深く?)の教養を備えています。仕事で多忙を極めているはずで、一体ど
こにそんな情報収集をする時間があるのかしら???と不思議に思うくらいで
す。また、忙しくて睡眠時間が極端に少ないはずなので、忙しさにかまけて美
容やおしゃれがおろそかになっていると思いきや、いつもお肌はすべすべで格
段に美しく、また、清楚で品のある女性に見えるのは、同性ながらもうっとり
してしまいます。

 実は、私がこのようなスーパーガールたちの集いに入れてもらったのには、
目的があったんです。きっかけは、知り合いに声を掛けてもらい、最初は興味
本位だったんですが、でも、ちゃんとした目的があったんです。

 みなさんは、どんな「人脈」を持っていますか?母校の友達や先輩・後輩で
もなく、同じ会社の人でもなく、仕事上知り合った人でもなく、趣味のつなが
りでもない世界で、人脈を持っていますか?私は、そのどれでもない世界で新
しい人脈を作りたくて、彼女たちの仲間に入れてもらったんです。

 さて、もし、みなさんが、そのような趣旨で、初対面の人たちと打ち解けよ
うとする時、まず最初にどのようにコミュニケーションをとっていくでしょう
か?早く解け込むために、自分の方から「自分はこういう人だ」ということを
積極的にアピールしますか?私はこういう場合、まずは相手の話の「聞き役」
になります。最初は、相手 8 割・自分 2 割くらいの会話をしながら、上手く
その人の興味の的や関心ごとを探るのです。そして、その中で、相手と自分の
共通項を見つけて、それに合わせた自分の話を次第に多くしながら会話を続け
ていきます。最初は、じっと相手を観察することが重要です。

 みなさんが、テレビの CM や雑誌・新聞の広告などで、ある新しい商品やサ
ービスを知ったとします。それが自分に興味のあるものなら後でも覚えている
と思いますが、もしそれが、興味のないもの(関心の無いもの)だとしたら、
すぐに忘れてしまいませんか?初対面の人との会話って、これと同じだと思う
んです。相手の興味や関心ごとを知らずに自分のことを話し始めると、相手は
自分に興味を持ってくれるどころか、ともすると、退屈に感じてしまう場合も
あるのです。でも、相手の関心ごとを先に知ってその話題に絞り、それに合わ
せて自分のことを話していけば、効率良く、そしてすんなりと相手の心を引き
つけることができます。

 また、人は、自分の興味があることの中でも、自分の知らない新しいことを
発見すると嬉しくなるものです。たとえば、こんな話がありました。メンバー
の中で、私のように一般企業に勤めている女性が他にも何人かいます。その中
の一人と話をしているうちに、彼女は一度、会社を辞めて、半年ほどイギリス
へ渡り、フラワーアレンジメントの勉強をしていたことがわかりました。帰国
後は、また OL を続けながら、週末だけ、フラワーアレンジメントの先生とし
て活躍しています。私は、母が華道の師範だったので、その影響で「華道」
(草月流)を習っていました。また、フラワーアレンジメントは、妹の趣味な
ので、よく話を聞いていましたし、妹から教えてもらって家で一緒に生けたり
していました。だから、私は、日本発祥の芸術である「華道」と、洋風の「フ
ラワーアレンジメント」の両方の作法について知っています。違う点が多いの
ですが、意外と、共通する点もあるんです。これは、両方を身につけていない
とわからないことです。しかし、これを、どちらか一方を嗜んでいる人に話す
と、とても驚いて興味を示してくれるんです。

 彼女とは、和風と洋風の花の生け方の共通点や違いで話が盛り上がり、それ
以降、彼女は私にとても興味を持ってくれています。また、それがきっかけで、
華道以外の私の思想や価値観にもとても共感してくれています。

 おかげで、彼女とは「花」つながりで、とても仲良くさせてもらっています。
定例のメンバー交流会以外でも頻繁に会うようになりました。彼女のイギリス
留学時代の友人の集まりや仕事関係の方とのお食事の際に、私にも声を掛けて
くれるようになりましたし、私の方からも、私の会社の友達や先輩と食事をす
る際に彼女をお誘いするような仲になったんです。

 そして、私は、彼女と同様に、他のメンバーとも交流を深め、今では、母校
も会社も趣味も関係ないところでの人脈がどんどん広がっています。なんだか、
お金では決して買えない宝物が増えている感覚で、とても嬉しいのです。

 ところで、このように、「初対面の人たちの中で人脈を広げていくにはどう
したら良いのか」ということを考えているうちに、私は、マーケティングを考
える時のある法則と似ていることに気づきました。

 商品を知ってその商品を購入するまでの消費者のプロセスに関して、「AIDMA
(アイドマ)の法則」という理論がありましたよね。これは、Attention(注意)
→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)
の頭文字を取ったもので、この消費者の行動の視点に合わせて、売り手は消費
者に対してコミュニケーションを取っていくという理論でした。ある商品のプ
ロモーションが、どういう消費者がターゲットで、「AIDMA」のどの段階に対す
るコミュニケーションなのかということは、マーケティングの基本でとても重
要だということです。

 私の人脈作りも同じなんです。まずは、交流会によく顔を出してみんなに顔
を覚えてもらい(Attention)、相手の関心ごとに合わせて会話を弾ませて自分
に興味を持ってもらいます(Interest)。そして、相手にとって楽しく驚くよ
うな話題を提供して、また会って話したいと思わせ(Desire)、同時に、好感
度を高めながらイメージを記憶させて頻繁に思い出してもらい(Memory)、お
食事やイベントに誘ってもらいます(Action)。この流れがとても似ています。
ということは、人脈作りは、仕事にも通じる部分があるんですね。そして、人
脈作りは、要するに「自分自身のプロモーション」ということなんですね。

 幅広い人脈を持っているということは、情報交換やお互いを刺激し合うこと
ができるというだけではなく、自分が困った時に相談できる人・助けてくれる
人がたくさんいるという意味でもあります。どんなケースの悩みごとに直面し
ても、助けてくれる人が周りにいると思うだけで、とても支えになります。で
も、それには、友好的な関係を維持していくことが大切になってきます。自分
が相手を必要とするだけではなく、相手も自分を必要としてくれるような関係
にならないと成り立ちません。それには、自分が相手にとってもいつでも魅力
的な人でいる必要があります。つまり、人脈は、「AIDMA の法則」で築き、そ
の後の良い関係の維持には、「自分を磨くこと」が必要なのかもしれません。

 知識や経験が豊富で活力が溢れている人と同じ時間を共有するだけで、その
活力を分けてもらったような気がするものです。だから、自分を磨き人を引き
つける魅力を身につけることが、人脈作りの近道だということを改めて感じ、
自分もそうでありたいなぁと切望しているこのごろです。また、仕事で学び実
践している「AIDMA の法則」のような理論や、その他様々な戦略なども、実は
仕事以外にも応用できることって多いと思うのです。仕事のことは仕事のこと
と割り切らず、プライベートのことにも応用していくうちに、無理なく自然に
身につくものなのかもしれませんね。そして、こういうことの積み重ねさえも、
人脈作りに必要な「自分磨き」に役立つような気がします。

                            <佐藤 彩子>
























 
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