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佐藤 彩子 執筆記事
 
 
 
仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウー
マンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行き
ます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業
務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話
していくコーナーです。

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第43回 『「理想の上司」とは?』


 今、オンエアーしている CM で、私のお気に入りの CM があるんです。シリー
ズもので、女優の篠原涼子さん演じるワーキングウーマンとその男性上司の会
話を描く CM なんです。その第三弾です。みなさん、もうご覧になりましたか?
この CM のキーワードを言えば、「あー、あの CM ね。」と思い出す方もいら
っしゃると思います。そのキーワードとは、「やばっ、グッときた。」です。

 まだ観たことがない、あるいは、海外などに居て観ることができない環境に
ある方へ、CM のストーリーをご紹介しますね。

 篠原さんが、壁に貼られた予定表に向い、休暇を取得したい日程にマーカー
で線を引きながら、上司に「来週、休みが欲しいんですけど・・・。」と言っ
て休暇を申し出ます。そのマーカーで引いた線を見ながら上司が怪訝そうな顔
をして、「そんなに???」とポツリと言います。それに対して、篠原さんは、
「『そんなに』って・・・」と言いながら、納得が行かず、思わず怒り口調で、
「(普段)どんなに働いていると思ってるんですか!!」と上司に楯突きます。
上司は、湯気が立っている篠原さんの手から無言のままマーカーを取り、予定
表に向います。そして、「そんなに短くていいの?」と言いながら、篠原さん
の書いた線をマーカーで継ぎ足して長く長く伸ばし、その場を去って行きます。
上司は振り向きもせず、後姿のまま V サインをしながら去って行くのです。篠
原さんは、上司の粋なはからいに思わずときめいてしまい、「やばっ、グッと
きた。」とつぶやきながら放心状態になる。そんなストーリーなんです。

 こんな粋なはからいのできる上司には、誰だってグッときますよね。みなさ
んの上司はどうですか?こんなふうに、グッとくることはありますか?

 毎年、理想の上司のアンケート調査が行われていますが、今年の春に社会人
になった方々を対象にした調査の結果を見ると、男性上司は、プロ野球ヤクル
トの選手兼監督の古田敦也さん、女性は、女優の篠原涼子さんが一位という結
果が出ていました。(さきほどの CM では篠原さんは部下役ですが、上司とし
ても支持されているんですね。)

 主な理由は、「頼もしい」、「親しみやすい」というイメージだそうです。
他には、北京オリンピック出場を目指す野球日本代表監督の星野仙一さん、タ
レントの所ジョージさん、俳優の唐沢寿明さんもランクインしていました。女
性だと、女優の黒木瞳さん、タレントの久本雅美さんです。みなさん、頼もし
さや親しみやすさはもちろんのこと、知性的な雰囲気もあり、それに、一緒に
楽しく仕事ができそうなタイプの方ばかりですね。

 では、みなさんにとっての「理想の上司」とは、どんな上司でしょうか? 
私も、ちょっと考えてみたんです。細かいことを書き出すと切りがなくなって
くるのですが、でも、それをまとめていったら、私の「理想の上司」は、二つ
の像にたどり着きました。

 私の「理想の上司」一つ目は、「どこまでも信頼できる人」です。

 みなさんは、自分が信頼している人、たとえば、家族や恋人、親しい友人や
先輩・後輩などと一緒に居る時の気分って、どんな気分ですか?まず、一緒に
居ると安心するし、それに、とても温かい気持ちになりませんか?実感してい
なくても、そばに居るだけで安らぎを感じているはずなんです。それは、その
相手が「自分の良き理解者」だからなんですよね。良き理解者だから安心して、
心を開いてなんでも話せるのです。

 これは、「上司」でも同じなんです。自分のことを誰よりも理解してくれる
(理解しようとしてくれる)上司には、自然と心を開きますし、一緒に居ると
ホッとします。また、自分の理解者には喜んでもらいたいという気持ちがある
ので、忠誠心も生まれてきます。自分をわかってくれる人にはもっともっとわ
かってもらおうという意欲も湧いてくるものです。それに、そういう人だから
こそ、自然と気配りの気持ちも生まれてくるのです。そして、自分の上司が
「自分の良き理解者」だと思ったら、自然と「信頼」の気持ちも生まれてきま
す。上司を信頼することができれば、上司の言葉(指示)一つ一つも信頼する
ことができます。それに、絶対に裏切らないと思えば、仕事に全力を尽くすこ
ともできますよね。

 私の「理想の上司」二つ目。の前に、みなさんに、ちょっと質問です。みな
さんは、どうして働いているんですか?なぜ、仕事をしているんでしょうか?

 人それぞれの考え方があると思います。「生活のため」、「欲しいものを買
うため」というような現実的なことが第一という方もいれば、「仕事が好きだ
から」、「自分自身を向上させるため」、「社会に貢献するため」、というよ
うな利害得失を抜きで考える方もいると思います。どんな考え方でも、同じ時
間を仕事に費やすのなら、やりがいを持って好きなことができたら、それは素
晴らしいことだと思うんです。

 しかし、どんなに自分の仕事が好きでやりがいを感じている人でも、それが
趣味ではなく「仕事」である以上、全てが「好きなこと」ではないと思うので
す。全般的には好きかもしれませんが、自分に課せられた業務を一つ一つの
「作業」にまで細部化していった時、その細かい作業一つ一つ全てにやりがい
を感じ、全ての作業が好きだと断言できる人って少ないと思うんです。

 私は、今の仕事が大好きです。もちろん、やりがいも感じています。生きが
いにも近いかもしれません。でも、やっぱり、そんな大好きな仕事の中でも、
嫌いな「作業」はあります。私は、単純作業が好きではありません。たとえば、
挨拶状などの書類を取引先に一斉に郵送するような作業が好きではないんです。
具体的には、書類をプリントアウトして、それを封筒の大きさに合わせて折っ
て、封筒に入れて、糊付けをして封をする。という流れ作業を何百通もやらな
くちゃいけないというような作業が、好きではないんです。

 みなさんは、このようなあまり好きではない作業をする前に、自分自身をモ
チベートさせる工夫を、なにか独自にされていますか?たとえば、「この作業
が終わるまでは、おやつは厳禁!終わったらお菓子を食べよう!」とか、「こ
の作業が終わったら、一服吸いに行こう!」というような、ほんの些細なこと
で、自分の気持ちがやる気に向うような、そんなちょっとした工夫のことです。

 私は、これまでずっと、そのような工夫をしなくても、自分の気持ちをやる
気に向けてこれたんです。それは、私の上司は、「一人の人間として尊敬でき、
憧れの気持ちを抱ける人」だからです。そうなんです。前置きが長くなりまし
たが、私の二つ目の「理想の上司」は、これなんです。

 「仕事ができて、人徳があるのはもちろんのこと。その上、考え方は常に一
本筋が通っている。なんでもチャンレジする。常に探究心が旺盛で勉強熱心。
決しておごり高ぶらない。率先して良い見本を見せる。リーダーシップがある。
自分の労力を惜しまずに愛情を持って部下を指導している。自分の部下を守る
ことができる。」こんな上司だったら、自然と尊敬の念が生まれてきませんか?
また、こんな上司のためだったら、自分の身を削ってでも、好きじゃない作業
でも、最終的にその人のためになることなら頑張ろうという気持ちになってき
ませんか?

 それに、一人の「人間」としての魅力もある上司なら、「自分もああいうふ
うになれたらいいなぁ」と憧れの気持ちを抱きます。そんな人から仕事のこと
で褒められたりしたら、人一倍嬉しくありませんか?私は、上司から褒められ
たいから仕事を頑張っていると言っても過言ではありません。だから、結果的
に、上司が「憧れている人」だと、仕事に対するモチベーションが上がってく
るのです。

 「『理想の上司』とは?」という理想論を語っているつもりでしたが、気が
ついたら現在の私の上司、そして、これまでお世話になった私の上司の方々を
イメージした話になってきてしまいました。これは、それだけ私が、今までの
上司に恵まれてきたという証拠ですよね。

 みなさんの上司はどうでしょうか?「理想の上司」でしょうか???答に困
って思わず下を向いてしまう方もいるでしょうし、また、逆に、私のように胸
を張って自分の歴代の上司を自慢できる方もいると思います。

 でも、「理想の上司」に既成概念なんて無いと思うんです。となると、上司
にとっても、「理想の上司」になるためのマニュアルなんて無いと思うんです。
こんなふうに色々と考えていくうちに、「理想の上司」とは、「上司と部下の
良い関係」が作っていくものなのかもしれないなぁと思うようになってきまし
た。上司だって部下だって同じ人間です。立場が違うだけで、結局は「人」と
「人」との関係なんですよね。だから、良い人間関係を築いていくことが第一
なのかもしれません。

 さきほど申し上げた「信頼」が良い例で、「信頼」は、一方通行では絶対に
成り立たないものなんです。自分だけじゃなく、相手も同じように自分のこと
思ってくれないと、信頼関係とは成り立たないものですよね。双方向じゃない
とダメなんです。だって、自分は相手のことを信頼していても、相手が自分を
信頼していないと思ったら、なんでも話すことなんてできないと思います。そ
んな人に喜んでもらおうと頑張れるわけがありません。つまり、上司と部下の
信頼関係には、部下から上司へという一方向だけではなく、上司の方からも部
下を心の底から信頼することが必要だと思うんです。

 よく、「上司は選べない」と言いますよね。選べないんだったら、自分の上
司に自分の描く「理想の上司」でいてもらうためにも、部下の方から逆に、思
いがけないはからいで「やばっ、グッときた。」と上司に思わせるようなこと
をする。そんな心のゆとりが上司にだけではなく部下の方にもあれば、それが
理想なのかもしれませんね。

                             <佐藤 彩子>






















 
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